ライブ配信を通じて商品を紹介・販売する形態を「ライブコマース」と言います。
新しいオンライン販売の形として、中国をはじめとした海外で大きな市場に成長していますが、日本では「なかなか流行らないのでは」といった声も少なくありません。
なぜ日本では広がりにくいと言われているのでしょうか。
この記事では、その背景にある理由や海外との違い、そして今後の可能性について解説します。
日本でライブコマースが流行らないと言われる理由

日本でライブコマースが流行らないと言われる理由として、以下のような要因が挙げられます。
日本市場の商品への信頼性
中国でライブコマースが急成長した背景の一つに、偽造品への不安がありました。
中国市場では偽造品が多く出回っていたため、消費者の信頼が低下していたのです。
そこで企業はインフルエンサーを起用し、信頼の回復を図りました。
その結果、「信頼できる配信者が紹介している商品だから安心」という認識が広まり、ライブコマースが大きな役割を果たすようになったのです。
一方、日本では大手ECモールや企業の公式サイトで購入する商品が偽物である可能性は極めて低く、どこで購入しても一定の品質が担保されています。
つまり、日本市場では「商品の信頼性を担保する」という役割が、海外ほど重要ではないと考えられます。
購買行動の違い
日本の消費者は、商品レビューやスペック情報を徹底的に調べてから購入を決定する傾向があると言われています。
特に高額な家電や、サイズ感が重要なファッションアイテムなど、購入後に後悔したくない商品ほど、その傾向は顕著です。
リアルタイムのライブ配信で質問するよりも、じっくりと既存のレビューを読み込む方が、納得して購入できると感じる人が多いと考えられます。
ライブ視聴文化の違い
日本では、買い物をする際にライブ配信を視聴するという習慣が根付いていません。
日本でも古くからテレビショッピングの文化はありますが、これは一方的な情報発信が中心で、視聴者が質問したり配信者と対話したりすることはできませんでした。
ライブ配信は通常30分から1時間程度続くため、配信を最後まで視聴することが負担に感じる人も多くいます。
ECサイトであれば自分のペースで商品情報を確認し、数分で購入を完了できます。
そのため、多くの日本の消費者は、手軽さや効率性の点でECサイトの方が便利だと感じているのかもしれません。
プラットフォームの問題
日本では、ライブコマースに特化したプラットフォームが海外ほど充実していません。
中国では淘宝直播(タオバオライブ)や抖音(TikTok)など、ライブコマースに最適化されたプラットフォームが早くから整備され、消費者、配信者ともに使いこなすノウハウを蓄積してきました。
日本でもTikTok Shopが2025年6月に本格展開を開始するなど活発になってきてはいますが、市場全体がまだ成熟していません。
逆に言えば、プラットフォームが整備され、使いやすい環境が構築されれば、日本でもライブコマース市場が大きく成長する可能性があると考えられます。
日本におけるライブコマースの可能性

課題の多い日本市場ですが、ライブコマースは今後普及するのでしょうか。
以下の2点から、普及する可能性は十分にあると考えられます。
TikTok Shopの日本展開
2025年6月、TikTokが日本でTikTok Shopを本格展開しました。
ライブ配信中に表示された商品をタップして、そのままアプリ内で購入・決済まで完了できる仕組みです。
TikTokは日本国内で3,300万人以上の月間アクティブユーザーを持ち、特に若年層を中心に高いエンゲージメントを誇ります。
この巨大なユーザー基盤と、視聴から購入までシームレスにつながる環境が、ライブコマース市場の拡大を後押しする可能性があります。
成功事例の増加
日本国内でも、ライブコマースで成果を上げる企業が現れ始めています。
大手企業の参入により、「ライブコマースは信頼できる購買チャネルである」という認識が広がりつつあります。
また、配信に慣れたインフルエンサーやライバーが企業案件に参加することで配信の質が向上し、視聴者にとって魅力的なコンテンツが増えています。
まとめ
日本でライブコマースが普及しづらいと言われる理由は、日本特有の消費文化や、プラットフォームが十分に整っていないことが挙げられます。
しかし、TikTok Shopの本格展開や成功事例の増加により、今後の市場拡大が期待されています。
日本市場でライブコマースに取り組む際は、認知度が低い今がチャンスです。
市場はまだ成長初期段階にあるため、早期参入によって先行者優位性を築けます。
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